『「幸せなお産」が日本を変える/吉村正』感想
自然分娩にするか、無痛分娩にするか…
いよいよお腹も大きくなってきた妊娠7か月後半、私は追い詰められていた。
今通っている、歩いて10分の産婦人科では無痛はやっておらず、妊娠がわかった時びびりちらかしていた私は、分娩予約は無痛ができる車で40~50分の産婦人科にした。
しかし。「通い慣れている家から近いこの産婦人科で産みたい」、「みんな耐えてきてるんだし、私だってできるんじゃない?」みたいな気持ちがフツフツとわいてきて、今更ながら、ようやく、「産む」ということに真剣に向き合い始めていた。
悩んだときは本に限る。経験者に聞いてみてもいいのだけれど、経験した人は、まぁ仕方ないけど自分の経験を大げさに言いがちというか、「死ぬかと思ったよ」とか言われて怖がらせてくるだけの可能性がある。というか周りに近い年代で出産した人がいないので、「出産 本」とかで調べていくつか読んでみた。
その中でも吉村正先生の『母になるまでに大切にしたい33のこと』という本が気になり、どうやらそれより前に書いた『「幸せなお産」が日本を変える』というのも面白そうだと思って、早速図書館で借りて読んだ。
内容は強烈で、でも励まされる言葉であふれていた。今の時代、「古い考え」とか「極論だ」とか言われてしまうかもしれない。でも、今の私にはなんだか腑に落ちる言葉が多かった。
妊娠して、お腹に生き物が宿っている今。自分の体の中ですでに1キロ近くある生き物が動いているのだ。つい、神秘的だな~、自分も生物だったんだな~と感じる。頭で理性的に考えたら、痛みなんてない方がいいし、楽になる選択肢を選ばない理由がない。でもこと妊娠・出産に関しては、これまでの人類の歴史を感じざるを得ない。
そんな時、極力医療を介入させない、自然の力を信じる吉村先生の言葉は、自分の中に入ってきやすかった。
読んでる途中ですでに勇気づけられて「よし、自然に産もう」と思って今通っている産婦人科に分娩予約の電話を入れた。
助産院ではないから、帝王切開になるかもしれないし、吸引分娩とか会陰切開はするかもしれない。でも初めから麻酔が決まっていた前より、陣痛を味わう覚悟が少しできた。
あとは「ゴロゴロ、パクパク、ビクビクしない」こと。デスクワークはほどほどにして、身体を動かす労働をする。お産に向けての心構えと身体の準備をしていこうとおもう。ありがとう吉村先生。がんばるぞ。
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